
2011年02月26日 (土) | 編集 |
![]() | 東京島 (2008/05) 桐野 夏生 商品詳細を見る |
<感想>清子は、暴風雨により、孤島に流れついた。
夫との酔狂な世界一周クルーズの最中のこと。
その後、日本の若者、謎めいた中国人が漂着する。
三十一人、その全てが男だ。救出の見込みは依然なく、夫・隆も喪った。
だが、たったひとりの女には違いない。
求められ争われ、清子は女王の悦びに震える―――。
(裏表紙あらすじより)
木村多江主演で映画化もされましたね。残念ながら映画は見てませんが。
出てくる人物全員が自分勝手でずるくて計算高くて、読んでて苛々しました。
後から漂着した若者たちは孤島バイトが辛くて脱走して遭難、中国人は密航中の遭難、
といった風に違法者や根性なし(と言っては酷いのか)だからもあるんでしょうか。
しかし清子の自己中心ぶりが一番酷い・・・
何でそんなに苛々するかと言えば、自分にも多少なりともそんな自分勝手でずるいところが
あるからなんでしょうね。
極限状態のサバイバルになると人間の本性が出るってことでしょうか。
いやはや文明の発達した法治国家に生まれて良かった。
このお話、清子は唯一の女性のため最初の夫である隆が死んだ後に若い夫を得るのですが、
2番目の夫にカスカベを選ぶあたり、いくらなんでも趣味が悪すぎです。
あんな頭の悪いチンピラを伴侶に選ぶかい。いやーないわー。
まぁそこは最初の夫、隆と結婚したのもそうか。
清子自体も感心できる人ではありませんが、付き合う男によって一層ダメ女に見えてきます。
付き合う人間って大事ですね。
最後はハッピーエンド・・・なのか?
ハッピーエンドと言えなくもないけれども、そこに至るまでの道のりが道のりだけに・・・ねぇ?
これは終末よりも経過を楽しむ作品かも。
ラストは「あ、そう落ち着いたか」という感想。
物語の途中で島の勢力や人間関係が変わっていくのを読んでいる時が一番楽しいです。
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