
2011年04月25日 (月) | 編集 |
![]() | かたみ歌 (新潮文庫) (2008/01/29) 朱川 湊人 商品詳細を見る |
<感想>忘れてしまってはいませんか?あの日、あの場所、あの人の、かけがえのない思い出を。
東京・下町にあるアカシア商店街。
ある時はラーメン屋の前で、またあるときは古本屋の片隅で―。
ちょっと不思議な出来事が、傷ついた人々の心を優しく包んでいく。
懐かしいメロディと共に、ノスタルジックに展開する七つの奇蹟の物語。
(amazon内容紹介より)
朱川湊人、都市伝説セピアではまって、これで読むのは二作目です。
昭和な雰囲気がすごくいいです。
生まれる前の時代なのに、なぜだか懐かしいと感じます。
七編は全て独立した物語なのですが、同じ商店街を舞台にところどころつながっていて、
それぞれの人のその後がわかったり、「ああこの人たちはこの街で生きてるんだな」
という感じがします。
「夏の落とし文」は不気味なところが印象的。
兄の秀則が、幼いながらもしっかりした良い子で不憫です。
一番気に入ったのは「栞の恋」でしょうか。
邦子の恋心がほほえましいし、読んでいてこっちもわくわくします。
不思議な結末がまた良い。YTさんにとっても良い思い出になったんでしょうね。
「おんなごころ」は救いのない終わりと初恵の強さがコントラストでした。
この話の好きな言葉は「切るべき人間を切ることに躊躇しないということだ」。
大事だなと思います。
情け深いことも大事ですけれど、それではやってられないこともあるでしょうね。
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