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基本的には読んだ本の感想・たまに映画やフリーゲームの感想、さらにたまには日々の雑記でも書いてます。そりゃあもう雑食に何でもやります。
 肝臓先生
2011年02月06日 (日) | 編集 |
肝臓先生 (角川文庫)肝臓先生 (角川文庫)
(1997/12)
坂口 安吾

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町医者というものは、風ニモマケズ、雨ニモマケズ、常に歩いて疲れを知らぬ足そのものでなければならぬ―――どんな患者も肝臓病に診たてたことから“肝臓先生”とあだ名された伊東の開業医・赤城風雨。
戦争まっただなか、赤城は、蔓延する肝臓炎を撲滅せんと、寝食を忘れて研究に没頭、患者のために今日も走りまわっていた・・・・。

(裏表紙あらすじより)



坂口安吾(1906-1955)の短編集。
古いのを読みますねー私も。
でも安吾のセンスは好きです。桜の森の満開の下は名作です。
短編集ですので、印象に残った二話の感想でも。


<ジロリの女>(※ネタばれ箇所は反転)
私こと三船と、病院の経営者衣子、その娘の美代子、私の社の従業員ヤス子、そして恋敵大浦博士の色恋沙汰、というには少し汚い話。
この退廃的でせこくて汚くてこすっからい話が妙に好きでした。
卑しいヤミ屋の「私」と強気な女たちと強欲で女好きな大浦博士のお互いのエゴをめぐった心理戦(?)。
人間模様がどんどん変化して、さらにどろどろしていくのが面白い。
オチは意外でした。でも何だかこの終わり方好きです。最終的にはちょっとは良い話なんだろうか?
ヤス子は【良い人】でしたね。
最初はしたたかな女かと思ってましたが、終盤の優しさにホロリと来た。ハンケチがぐっと来る。
あの後「私」は【罪を償って出所】して、【ヤス子と幸せに】なるんでしょうか?そうだったらいいなぁ。
ヤス子も好きですが、金龍姐さんも好きです。あのサバサバしてる感じがいい。

<肝臓先生>
表題作。これ、1998年に映画化してたんですね。麻生久美子が出てたらしい。
患者のためならどこへでもかけていく。
周囲の理解が得られなくても罵られても、ともかく蔓延する肝臓病撲滅のためなら。
こういう粗筋だけ見るとよくある熱血医師の物語のような気がしますが、そういうありきたりな印象がなく読み進められました。
何なんでしょうね。安吾って不思議です。
他の作品が退廃的でどこか後ろ暗さもある話だったので、この話だけ少し浮いていました。
でもシンプルな、良い話です。
これを読んで医学部に入った友人がいるのですが、それもうなずける一品。
今度DVDを借りて映画も見てみようかな。



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